反り腰を直そうとすると猫背になるし、猫背を直そうと姿勢を正すと反り腰になる。
どっちつかずの状態でなかなか改善ができないので困っている方は多いのではないでしょうか。
実は、反り腰と猫背は併発しやすく、切り離せないものとなっております。
長時間のデスクワークや、スマートフォンの普及による立ち姿勢の変化によって、姿勢の悪さ=猫背とは一概に言えなくなってきました。
腰の反りが強いタイプの方や、猫背なのに背中の丸まっている部分が少ないことで首が前に出る方など、いろいろな方がいらっしゃいます。
そんな皆さんのために、反り腰猫背についてまとめました。
今回の記事を読むとこれらのことがわかります。
今回の記事を読んでわかること
- 反り腰猫背の原因
- 反り腰猫背改善のメリット
- 反り腰猫背改善のポイント
反り腰猫背を良くしようとしてもなかなか良くならない、という方にとっては有益な記事になっておりますので、是非最後までお読みください♪
目次
反り腰猫背とは?
そもそも、猫背と反り腰が合わさった姿勢はどんな状態なのでしょうか。
結論としては、腰の反りと胸の骨の丸みがどっちも過剰な姿勢です。
このように腰の反りが強く、背骨の上側が過度に丸まり、首が前にいっており、赤丸が点線上からずれています。
良い姿勢例も見てみましょう。
正しい姿勢では、背骨が綺麗なS字カーブを描いており、赤丸の5ポイントが点線上に揃っています。
そもそもの背骨の構造ですが、頚椎、胸椎、腰椎(仙椎、尾椎)という3つから構成され、ゆるやかなS字のカーブで形成されています。
このように腰が滑らかに反り、胸の背骨は丸まって首は軽く反るという構造。
反り腰猫背の方は、腰と胸の背骨のカーブがそれぞれ強くなった状態ではありますが、最近では立った姿勢が猫背なので反らすと反り腰になる。
そして、反り腰を直そうと腰を丸めると猫背になる方が多い傾向にあります。
そういった方の姿勢の特徴としては、一見姿勢が良いように見えても腰〜胸の背骨が反り気味で、首の付け根あたりのみ丸まっています。
頑張って猫背を改善しようとするとこの姿勢になり、楽な姿勢では一番上の姿勢になる。
これが反り腰猫背の正体。
スマホを見ながら電車待ちしている人たちは、多くの方が反り腰猫背かもしれませんね。
反り腰猫背になる原因
反り腰猫背になってしまうのには、いくつかの原因があります。
もちろん、デスクワークや運動不足などの私生活が根底の原因として挙げられるため、日常生活で注意しなければならないポイントもあります。
それは最後にお教えしますが、まずは体の構造からどのような問題を抱えて反り腰猫背になるのかをお伝えします。
ご自身のどこが原因で反り腰猫背なのか、理解して根本から改善できるきっかけになればと思います。
背骨の動きが硬い
背骨の動きが硬いと、正しい姿勢を保つための体の柔軟性が制限され、反り腰猫背になる傾向があります。
私たちの「姿勢」は骨によって形作られますが、骨単体で動くのではなく、骨につく筋肉によってテコのように骨が動きます。
筋肉の過度な緊張は、胸椎や腰椎の柔軟性を損ない、自然なS字カーブが崩れ、反り腰猫背の原因になりかねません。
特に背中の筋肉が硬くなると背骨の動きが悪くなりやすいため、反り腰猫背の改善には、背中の筋肉を緩める必要があります。
腹筋が弱い、使えていない
柔軟性のみではなく、実は腹筋が使えていないことも反り腰猫背になる一つの原因。
腹筋は背骨の綺麗なS字カーブをサポートする重要な役割を果たしていますので、腹部の筋肉が弱まると、お腹の圧が抜けてしまって背骨に負担がかかります。
結果として、腰椎部分の反りが強くなり、反り腰になりかねません。
また、腹筋が弱いと上半身の安定性が低下し、肩や首の筋肉に過度の負担がかかります。
結果として、肩が前に丸まり首が前に出た猫背にもなってしまうのです。
綺麗な姿勢を保つためには、腹筋の強化が必要です。
呼吸のエラー
呼吸が反り腰猫背に影響するってご存知でしたか?
正しい姿勢を保つには、脊椎のカーブや筋肉のバランスが重要ですが、呼吸エラーがあるとこれらが乱れます。
例えば、浅い呼吸や胸式呼吸が習慣化すると、交感神経が優位に働いて背中が反り、上の図のように肋骨が前方に広がります。
これにより、胸椎の丸みがなくなってしまい、腰も引っ張られて反り腰が生じる可能性があります。
そういった方は、こんな感じで肋骨をおさえて呼吸した時に苦しいと感じる方が多いのも特徴です。
また、呼吸エラーによる反り腰によって胸椎の下の部分が丸みを無くしてしまい、首の付け根付近だけが丸まって猫背にもなってしまいます。
反り腰猫背の解消には、正しい呼吸法を習得し、呼吸のやり方とバランスを整えることが大切です。
反り腰猫背を改善する3つのメリット
反り腰猫背の改善で、単に姿勢が良くなるだけでなく様々な体へのメリットがあります。
皆さんの体のお悩みは、反り腰猫背が原因の可能性は少なくありません。
反り腰猫背を改善できると具体的にどんな悩みが解決できるのか、メリットについてお伝えしていきます。
綺麗な姿勢で歩ける
反り腰猫背が改善できれば、もちろん綺麗な姿勢になれるのは間違いありません。
鏡に映った自分に憂鬱になることもなく、自分に自信を持つ一つのきっかけになるでしょう。
また、周りから「猫背」「反り腰」とも言われず、姿勢を意識せずとも綺麗な姿勢で歩けます。
何より姿勢を意識しなくても綺麗な姿勢を保てるため、体も心も余裕が生まれるのではないでしょうか。
反り腰猫背の改善は、綺麗な見た目以上のメリットがあると考えております。
ボディラインが変わり、体が引き締まる
「ダイエットしないと好きな服が着られない…」
そう思っているあなたも、反り腰猫背を改善できれば食事制限でのダイエットをしなくとも、引き締まった体を目指せるかもしれません。
「体脂肪減らさなきゃ」と思って食事制限しても、ぽっこりお腹や太ももの張りはなかなか解決しませんよね。
それは姿勢の問題だから。
仮に標準の体脂肪率であっても、反り腰猫背が改善できていなければ、ぽっこりお腹や太ももの張りなどのボディラインに関する悩みは解決できない可能性があります。
反り腰猫背の改善で、そのようなボディラインなどの悩みを解決し、引き締まった体を目指せるというメリットがあります。
肩こりなどの不調の改善
反り腰猫背の姿勢では、重心が前に傾く場合が多く、肩や首に大きな負担がかかります。
これにより、過度な筋肉がこわばってしまうため、肩こりなどの不調を発症する方も少なくありません。
反り腰猫背が改善できると、背骨のカーブが正常に戻り、上半身の重心が適切な位置に戻ります。
これにより頭も正しい位置に戻り、肩や首にかかる負担が軽減され、肩こりなどの不調の改善に役立ちます。
マッサージなどでは対処療法となってしまうため、その時は良くてもコリがすぐに再発するのは嫌ですよね。
反り腰猫背の改善で、肩こりなどの不調と無縁の体も目指せるのです。
反り腰猫背の改善に必要なこと
反り腰猫背の改善には、1つだけを行うのではなく、複数を同時に行う必要があります。
とはいえ、全部を一気に行うのはなかなか根気がいりますので難しいでしょう。
そのため、ご紹介する中でいずれかひとつだけでもチャレンジするのが、反り腰猫背の改善ためには大事になってきます。
最後にマストポイントもお伝えしますので、どれならできそうか考えてみてくださいね。
連続して座る時間を極力減らす
反り腰猫背でお悩みの皆さんは、パソコンを使ったデスクワークが多いのではないでしょうか。
連続して座る時間が長いほど、反り腰猫背になりやすくなります。
実は、脚を90度に曲げて椅子に座ると、骨盤は後ろに傾いて腰が丸まってしまうのです。
腰椎の丸まりと連動して胸椎も過度に丸まるため、背骨の柔軟性は低下するばかり。
「座ると猫背、立つと反り腰」になりやすいのは、間違いなくデスクワーカーです。
最近ではスタンディングデスクも出てきましたので、座る時間を極力減らすのも難しくは無くなってきました。
それでも、座る時間を極力減らすのは至難の業。
集中しているといつの間にか時間が経つため、意識的に立ったり座ったりを繰り返すしかありません。
ここばかりは意識しかないので、定期的に立つか座っても背骨を動かせるストレッチなどを行ってみましょう。
座ったままでも行える1つおすすめのストレッチをご紹介します。
スマホを使う時間の短縮
これも日常生活でのポイントになりますが、スマホの使用時間の制限も反り腰猫背の改善には重要。
特にゲームなどの時間の制限は、皆さんの反り腰猫背の改善に大きく貢献してくれます。
画面を注視すると首の位置が前にいくため、背中(胸椎)が丸まります。
胸椎の過度な丸まりの代わりに、腰椎の過度な反りがうまれ、結果として反り腰猫背になりかねません。
また、首の位置が前に出るほど肩や首への負担は大きくなり、肩こりなどの発症にもつながるため、スマホを使う時間の制限も取り入れてみましょう。
姿勢改善ストレッチの実施
最後に必要なのは姿勢改善のストレッチ実施。
いくら私生活で気をつけていても、結局自分の体を扱えなければ、反り腰猫背になります。
理由は、地球には重力があるから。
重力に逆らうための筋肉たちを抗重力筋(こうじゅうりょくきん)といいますが、ただ座るだけ、姿勢が悪いまま歩くだけ、寝るだけでは鍛えられずに重力が敵になるばかり。
反り腰猫背の改善にはトレーニングが必須です。
反り腰猫背改善のトレーニング
- 呼吸改善エクササイズ
- 柔軟性獲得ストレッチ
- 動作改善トレーニング
トレーニングの中にはストレッチなどを含めて主にこのような運動が必要です。
ストレッチといっても呼吸改善のエクササイズや、動作改善トレーニングなども含まれます。
特に大事なのは頑張り過ぎな筋肉たちに黙ってもらうこと。
「鍛える前に整える」が鉄則なので、ストレッチを活用したエクササイズが必須なんです。
また、それらを織り交ぜたストレッチでは、皆さんご存知のインナーマッスルをうまく使える体にするのが大前提。
インナーマッスルの種類
- 腹横筋
- 多列筋
- 横隔膜
- 骨盤底筋
これらがうまく働くと、日常生活での過度な筋肉の緊張や体のこわばりが落ち着き、反り腰猫背の改善に役立ちます。
次の項で具体的なストレッチ例をあげていきますね。
反り腰猫背の改善ストレッチ例
今回は、背中の筋肉を緩めるストレッチと骨盤の位置を安定させるためのストレッチの2つをご紹介します。
まずはじめに背中のストレッチから。
フォースタンスストレッチ
- 四つ這いになり、左手の前に右手を出します。
- 背中を軽く丸めましょう。
- かかとをお尻に近づけてゆっくり引いていき、そのまま1分間呼吸します。
広背筋と言われる背中の筋肉のストレッチで、反り腰を大幅に改善できます。
続いてご紹介するのが太もも裏を使ったバタフライ。
骨盤の位置を安定させて、綺麗なS字カーブの背骨をつくるために大事なストレッチです。
バタフライ
- 仰向けで椅子に足を乗せ、股関節と膝を90度に曲げる。
- 小さく前ならえし、踵で椅子を下に押して腰の隙間を埋める。
- 手を外に開いて10秒息を吐き、鼻から5秒吸うを1分繰り返す。
こちらも動画での確認はこちら。
このようなストレッチは1つだけでも反り腰猫背の改善に大きな効果が期待できます。
実際には腹筋を使ったり動作を改善したりとさまざまなトレーニングが必要になりますが、その土台をストレッチでつくるのです。
適切なストレッチやトレーニングを行うと、無意識で綺麗な姿勢がつくれます。
闇雲にトレーニングをやるよりも、皆さんの体それぞれで苦手な部分と得意な部分を評価であぶり出して、効率よく反り腰猫背を改善しちゃうのがおすすめ。
ただ単に反り腰猫背の改善だけでなく、その先の「どうなりたい」から逆算したステップを組ませていただいています。
お体の悩みはお気軽にご相談くださいませ。
反り腰猫背にならないために
反り腰猫背の原因、改善のメリット、そして、改善方法についてはお分かりになりましたでしょうか。
反り腰猫背を改善できると、スタイルの問題や体の不調改善など、さまざまな恩恵を受けられます。
デスクワークや日常生活が反り腰猫背の原因であることには間違いありませんが、改善のためには最終的にストレッチやトレーニングといった運動が必要です。
ご自宅でできる簡単なストレッチから始めることが、改善の第1歩となります。
姿勢が同じように見えても、体は一人ひとり違っているので、体を適切に評価するパーソナルトレーニングは、自己流で行うストレッチやトレーニングよりもおすすめです。
ご興味のある方は、是非一度お気軽にご相談ください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
パーソナルトレーニングRPS代表。
トレーナー歴10年目、姿勢改善で体の本質を変えるパーソナルトレーナー。
年間1,000本以上のパーソナルレッスンの経験を生かし、呼吸と動作パターン改善のエクササイズによって行うボディメイクと機能改善を軸に活動中。
【保有資格】
・NSCA-CPT
・FMS-Level1,2修了
・EBFA-BTS,FSFM
・栄養コンシェルジュ1ッ星、2ッ星
etc…
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